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がバルブを操作して供給される。ロボットが所定の位置に達すると、バラストタンク内の海水をすべて排除することにより、ロボットは浮上しロボット上部のガイド車輪か管路の天端に到達し、ロボットは管路の中心にセットされる。この状態で走行アームを伸張することにより、ロボットは管路の中心に拘束される。走行アームの伸縮は本体内のエアーシリンダーによって行っており、エアーシリンダーへの圧縮空気も本体下部に取り付けた高圧ボンベから供給される。このように、走行アームの伸縮はエアーシリンダーによって動作するために、大口径管の撓みに対し、特にセンサーを用いることなく走行部を管側壁に押し付けることができる。
回転アームはそれぞれ独立に伸縮可能となっており、その先端には付着物を除去するための除去ヘッ

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Photo-1 Under water cleaning robot

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Photo-1 Removing head

ドか取り付けてある。この除去ヘッドはPhoto−2に示すように、除去カッターをバネで支持し、そのバネ変位を水中変位計(セレスコ社製)で計測することにより管の撓みに除去カッターを追従させるための制御系が組み込まれている。
ロボットは回転アームの回転速度に同期させながら前進することにより付着物を取り残すことなく清掃作業を行う。このロボットの移動、回転アームの回転と伸緒および除去カッターの回転はそれぞれサーボモータおよびステッピングモータで駆動している。
このように、本システムは陸上からは電気の供給のみであるために、油圧等をエネルギー源としているシステムに比べ、陸上における取り扱いが非常に簡単になっている。
ロボットの操作は、ロボットを監視している潜水士と連絡をとりながら陸上よりパソコンにて行う。また、ロボットには非常停止スイッチが設けられており、ロボットにトラブルか発生した場合には監視用の潜水士によってロボットを強制的に停止することか可能となっている。
3−2 本ロボットシステムの特徴
以上のように、本ロボットは潜水士と協調して清掃作業を行うことにより、その機構を単純化した一方で、対象としている取水路が撓みの大きい大口径鋼管で、また塩素注入管あるいは電気防食用陽極といったものが取り付けられている場合も対応できるような工夫がなされており、その特徴は以下のようにまとめられる。
(1)ロボットは管内では浮上した状態で清掃・移動するために、除去した付着物の影響を受けることなく、またそれによる塗装への悪影響を与えることなく作業を行うことができる。
(2)アームの回転角を計測することにより、塩素管あるいは電気防食用陽極を自動で回避しながら清掃作業を続ける事ができる。
(3)装置の運転は陸上のオペレータがパソコンからコマンドを入力することにより行う。潜水士は装置の異常を監視するだけで清掃が可能となる。
(4)走行アームの伸縮にエアーシリンダーを用いることにより、管路の変形に追従しながら装置を前・後進させることが可能である。さらに、エアーシリンダーの駆動に用いる圧縮空気源として潜水用の高圧タンクを用いているために、

 

 

 

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